海外コラム

海外進出先としてのベトナム

経済成長

本日付の日経新聞の朝刊に「18年の対ベトナム海外投資実行額、過去最高更新」という記事が掲載されていました。記事によれば、「ベトナムは東南アジア主要国で最高水準の実質成長率を続け、外資を呼び込んで」おり、外国からの投資額が6年連続で過去最高額を更新しているとのこと。
またJETROによれば、ベトナムの2018年の実質GDP成長率は7.1%だったとのこと。参考までに日本のGDP成長率と比較してみましたが(下記グラフ)、ベトナムは日本のバブル期(80年代後半)のような経済成長を持続しているようです。

外国投資と経済成長。日本で言うと、バブル期と明治維新が一度にやってきたようなイメージなのでしょうか。

優遇税制等

ベトナムは法人税の減免措置や輸入関税免除等の税制面での優遇措置があり、要件を満たすことで恩恵を享受することができます。また外資系企業とベトナム国内企業は基本的に同じ条件でビジネスを展開することができます。外国投資に関しては国別では日本からの投資が最も多くなっており、ベトナム政府の計画投資省には日本語のホームページが用意され、日本語での電話対応が可能であるなど、国としても日本企業の誘致に積極的です。

日系中小企業にとってのベトナム

このような環境のためベトナムへは中小企業も数多く進出しており、JETROによれば2018年は数だけで比較すると中小企業の進出が大企業よりも多くなっています。日系中小企業の進出先国として、ベトナムはアジア諸国の中では最も選ばれているようです。

上記の通りベトナムは、数多くの日系中小企業から海外進出のチャレンジの場として選ばれており、また2018年では進出している中小企業の半数以上が営業黒字を達成する見通しのようです。なお、ベトナムでも中国など他の新興国同様に賃金率は年々上昇しています。このことは、現地に工場を構える製造業にとってはデメリットですが、逆の見方をすれば国民の経済水準の上昇であり、市場としての魅力が増しているとも言えます。
つまり製造業のような大規模資本だけではなく、サービス業や飲食業等、小規模資本の進出が可能なフェーズになってきたといえます。

中小企業にとっては一般に海外進出はハードルが高いものです。何をするにも情報の入手が困難であり、トラブルへの対応方法もイメージしにくいといった事情があるからです。
ただしベトナムのように既に数多くの日系企業が進出している国では、現地にもノウハウが蓄積されていることや情報の入手が容易になっていることから、海外進出のハードルがさがってきているといえます。

 

PAGE TOP