海外コラム

非居住者間の国内不動産売買

非居住者が日本国内にある不動産を取得し、それを非居住者に販売して得た利益に対しては、どのような課税関係になるでしょうか。具体的に言えば、海外に出向中の日本人や中国の不動産投資家が日本の不動産を土地し、外国の投資家に転売した場合などのケースです。

非居住者が日本国内にある不動産を譲渡したことによる所得は、国内源泉所得となり、PEの有無にかかわらず所得税の課税対象となります(所得税法161条1項3号、5号)。不動産は日本国内との物理的な結びつきが強いため、譲渡が国外で行われたかどうかや、譲渡の相手が誰であるかは関係なく、日本で課税されるものとなっています。したがって申告が必要となります。申告・納税にあたっては、非居住者のため、納税管理人を立てる必要があります(納税管理人については2019年3月15日付の記事をご参照ください)。

また源泉徴収に関しては、購入者も非居住者であることから、一般には購入代金の支払いも日本国外で行われることになります。この場合には原則的には源泉徴収は不要です。ただし購入者が国内に住所若しくは居所を有し、又は国内に事務所、事業所その他これらに準ずるものを有するときは、支払代金の一部を源泉徴収し、翌月末日までに納付する必要があります。

また非居住者の居住地国が全世界所得課税を取っている場合には、その国でも申告する必要があります。その場合には日本で支払った税金を外国税額控除することができることが一般的です。

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